盛り上がりを見せるメンズコスメや男性向けメイク市場の今。

2020年にみるメンズコスメや男性フェイスケアの市場展望

市場調査を行う富士経済が発表したデータによると、2020年と2019年の比較で、男性向けフェイスケアやメンズコスメの市場はいずれも2倍近い規模で成長していることが明らかになりました。

男性向けフェイスケアやメンズコスメ市場が盛り上がりを見せている原因としては新型コロナウイルスの拡大や男性の美意識の向上が考えられます。

メンズフェイスケア市場 男性向けコスメ市場
2019年比 110.1%(257億円) 103.2%(1,199億円)

これらが2022年にどうのようになるかというと男性向けフェイスケアが283億円、メンズコスメの市場が1,237億円まで成長すると見込まれています。

なぜこれほど男性向けフェイスケアやメンズコスメ市場が成長をし続けるのか、検証してみました。

男性向けフェイスケアやメンズコスメ市場が成長し続ける訳

フェイスケアやメンズコスメ市場についてですが、まずこれほどの盛り上がりを見せている訳として以下の理由が考えられます。

  • 男性の美意識の向上や異性からの要求レベルが上がった
  • フェイスケアやメンズコスメ方法の浸透
  • 男性向けフェイスケアアイテムが続々と登場
  • 新型コロナウイルス拡大によるフェイスケアの必要性が高まった
  • ジェンダーレス男性の登場や韓国人気による影響

男性の美意識の向上や異性からの要求レベルが上がった

やはり根底になるのはこの男性の美意識の向上が挙げられるでしょう。昔であれば、「男が化粧水なんて」「洗顔は石鹸で十分」なんていう男性もいましたが、今となってはそんな認識は”恥ずかしいこと”に移り変わっています。

また女性やパートナーから求められるレベルが高まったことも挙げられるでしょう。モテる要素として清潔感や中性的な魅力が注目されるようになり、以前の”男らしさ”だけでは不十分な時代になったと言えるかもしれません。

メンズコスメに関しても同様です。肌荒れや顔色の悪さを放置するのではなく人前に出るときはメンズファンデーションやBBクリームを使用する、デートの時はアイブロウやリップを使用するなど美への関心の高まりにつれ、”当たり前”が増えてきている印象です。

フェイスケア方法の浸透

雑誌やテレビ、SNS、YouTubeなど今では男性向けのフェイスケアやメンズコスメ市場のコンテンツがたくさん発信されています。

これにより男子にフェイスケアやメンズコスメの使い方や方法が浸透したのも市場拡大につながっています。

これまでフェイスケアやメンズコスメをしたことがない男性も試してみたいという気持ちが生まれ、実際に試してみることで効果を実感し、色々と試してみたり習慣化するという流れがあるようです。

男性向けフェイスケアアイテムが続々と登場

フェイスケアやメンズコスメ市場が拡大するにつれ、当然ながらフェイスケアアイテムを各メーカー、ブランドも発売しており、続々と新商品が増え続けています。

新しい商品が販売されると、CMやSNSでもプロモーションも増えてきますし、新しいフェイスケアやメンズコスメのユーザーを獲得していくという訳です。

例えばバルクオムなどは木村拓哉さんをプロモーションやCMに起用し、大幅な知名度を獲得。2020年9月期の売上高は前期比2倍と大幅な市場シェア獲得を実現しています。

新型コロナウイルス拡大によるフェイスケアの必要性が高まった

2020年に拡大し、いまだに収まる気配のない新型コロナウイルス拡大。毎日マスクをして外出することが当たり前になりました。

食事以外では外でマスクをつけっぱなしで過ごすという男性の方も多いでしょう。

マスクをつける週間によりフェイスケアやメンズコスメ市場に多くの変化が起こっています。

マスクをつけっぱなしにすることで口元や接触部分が荒れたりすることによるフェイスケアの需要や、顔全体ではなくマスクに隠されていない目元部分への注目が増えたことによるメンズコスメの必要性などが挙げられます。

ジェンダーレス男性の登場や韓国人気による影響

2015年ごろから登場するようになったジェンダーレス男性の登場もフェイスケアやメンズコスメ市場拡大の大きな一因。

マイノリティ、ダイバーシティなど新しい価値観の上に存在するジェンダーレス男性は性別の垣根を飛び越え、SNSなどを通じて多くの人に影響を与えています。(インフルーエンス)

彼らが当たり前のようにフェイスケアやメンズコスメを使用することで、フォロワー達も、「あの人と同じフェイスケアやメンズコスメを使いたい!」となり多くの人がフェイスケアやメンズコスメを買い求めるようになっています。

また韓国アイドルや俳優、ミュージシャン人気も見逃せません。

美の先進国である韓国ではDr.Jartやbelifなどフェイスケアやメンズコスメブランドがたくさん存在しており、水分クリームやドクターコスメ、美白アイテムなどたくさんのメンズコスメも存在します。

これからどんなフェイスケアやメンズコスメを注目するべき?!男性美容業界の展望とは

さて、そんな成長を続けるフェイスケアやメンズコスメ市場ですが、これからどのような展望やトレンドが待ち受けているのでしょうか。

注目するべきキーワードは「ジェンダーレス」と「コンプレックス」

これからフェイスケアやメンズコスメ市場において大きなトレンドとなるのは「ジェンダーレス」と「コンプレックス」という二つのキーワード。

ジェンダーレス

ジェンダーレスとは言わずもがな、フェイスケアやメンズコスメによる男性の中性化とメンズメイクアップです。

より多くの人が、「美」への関心を高め”清潔感””透明感”などを追い求めていくことになるでしょう。

さらにメンズメイクアップの広がりも大きくなることが考えられます。

先ほどご紹介した韓国コスメブランドの他に海外、特に欧米から続々とメンズコスメブランドが国内に上陸していくことが考えられます。

この流れはChanelのメンズコスメラインであるBOY de CHANELものですが、2020年となった今、M・A・CやNARSなど有名コスメブランドがこぞって男性インフルエンサーを広告や自社サイトに起用していることから見ても明らか。

さらにジェンダーレスを強く打ち出す、FluideやMILK Makeup、Glossier、Marc Jacobs Beauty、Jecca Blacなどのメンズメイクアイテムを取り扱うブランドの注目度が非常に高まっていることもメンズメイクへの関心の高さを裏付けしていると言えます。

コンプレックス

対して、ジェンダーレスの方向ではなく男性らしさを保ちつつ、自身と向き合い、コンプレックスに立ち向かうことで自分らしく、自信を持って生きるという傾向もあります。

例えばイギリスの理髪店から始まった、メンズグルーミングという考え方もそのうちの一つです。

ヘアスタイルを始め、ヒゲや身嗜みを整えるというこのメンズグルーミングは男らしさを際立たせるものでもありますし、まだまだ男らしさを求めるケアはフェイスケアやメンズコスメにおける主流となり続けていくのではないでしょうか。

また育毛やボディメイク、脱毛、肌トラブル解消などのスキンケアなどコンプレックス解消が動機の美容ニーズや市場も高まっています。

どれも自分のなりたい理想に近づくためのケアですが、多くの男性が関心を抱いていることであり、さらにこれらの美容分野における市場はフォーカスされていくのではないかと言われています。

まとめ

いかがだったでしょうか、今回はフェイスケアやメンズスキンケアコスメ市場の高まりを受け、なぜこのようなムーブメントが起こっているのかを解説してきました。

これからたくさんのコスメブランドがこの分野に参入し、多くのアイテムやイメージ、市場キャンペーンを皆さんは目にすることでしょう。

その中には”男性とはこうあるべき””こうしないと嫌われる”などの押し付けがましい意見もあるかもしれません。

しかし、これらに惑わされる必要は実はないのです。フェイスケアやメンズスキンケアは”なりたい自分になる””自分らしく生きる”という目的のために行うものであり、自身の価値観の中で楽しむものなのですから。

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