調査結果から見る2021年のメンズコスメ・スキンケアアイテムの市場規模とは

メンズコスメの市場規模って今はどうなっている?

メンズコスメ(men’s cosmetics)とは男性化粧品・スキンケアアイテムのこと。

あまりメンズコスメ に馴染みがない方は男性の化粧品、つまりメイクアイテムを想像されますが、実はそうではなく市場規模単位で捉えると洗髪料(シャンプーやリンスなど)、スキンケアアイテム(化粧水や乳液、日焼け止めなど)、メンズメイク 、ネイルケア、エチケットアイテムなど多くの要素を含みます。

今回はそんなメンズコスメの市場規模が2020-2021年でどのようになっているのか、またこれからどうなっていくのかを解説していきます。

調査データから見るメンズコスメの市場規模

調査会社のIntage(インテージ)のデータによるとメンズコスメの市場規模は直近5年間右肩上がりに成長しており、2015年から比較すると2019年は109%成長と大きな伸びを見せています。

市場規模を金額で表すと2020-2021年で1,200億円とかなりの規模に。

特に洗顔料や化粧水、乳液などに当たる「基礎化粧品」カテゴリが成長していることがわかり、メンズビューティー市場を牽引。

基礎化粧品はメンズコスメ市場の約6割を占めており、BULKHOMME(バルクオム)やuno(ウーノ)などが大ヒット商品を生み出すこととなりました。

BULK HOMMEのメンズスキンケアコスメ

今や国内メンズコスメD2Cブランドとして代表格とも呼ばれるようになったのがBULK HOMME(バルクオム)。メンズスキンケアやヘアケアアイテムを中心に人気で、木村拓哉さんが出演したCMで一気に知名度が上がった印象があります。

オンラインを中心に従来は女性色の強かったスキンケアにおいて、ターゲットをしっかりと男性に絞りマーケティングを行ったことが成功し、大幅にユーザーを獲得。メンズコスメだけでなく、コスメ・化粧品の市場規模単位のインパクトを残しました。

unoのオールインワン、バイタル クリーム パーフェクション

資生堂のメンズブランドuno(ウーノ)のオールインワンスキンケアジェル、バイタル クリーム パーフェクションは日本における男性スキンケアアイテムとして2019-2020において大きくヒットしたメンズコスメ。

男性の肌の5大悩み(シミ、肌荒れ、小ジワ、テカり、カサつき)をこれひとつでカバー。メンズコスメに馴染みがない男性でも簡単に使えると30代・40代の男性を中心に人気が爆発。

販売以来、類型100万個を突破しました。

20代以外のカテゴリで年間商品購入額が成長・拡大

男性が自分用にメンズコスメを購入するのに使った金額を年代別に見てみると20代以外の年齢層で大きく伸びています。

特に40代から60代のカテゴリは市場規模が拡大しているのが見受けられます。こうした背景にはメンズコスメ≠化粧ではないという理解が進んだこと。

女性の社会進出、美意識の向上とともにいわゆる、オジさん世代にも身だしなみの必要性が求められるようになったからではないでしょうか。

もちろんメンズコスメの市場規模の拡大により様々なアイテムが発売され、40代から60代の男性をターゲットにした商品が用意されたというのも大きな要因でしょう。

エイジングケアやアンチエイジングアイテムは、これまでメンズコスメを使ってこなかった男性にこそ必要とされ、効果が大きく出るからです。

なぜ20代のメンズコスメの市場規模は伸びていないのか?

調査会社のIntage(インテージ)のデータより引用: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000036691.html

では、このデータにあるように20代の男性はメンズコスメを買わないようになっているのでしょうか?

この答えは”NO”です。実は20代に限ってみるとメンズコスメにも関心を持つだけでなく、女性向けのスキンケアや女性化粧品を購入しているのです。

SNSや口コミサイト、レビューなどで商品購入行動を行う20代の中にはまだ、新しく情報が出揃っていないメンズコスメよりも、多くの情報の中から取捨選択できる女性用コスメを買う傾向にあります。

また男女両方をターゲットとしたユニセックスコスメやパートナーと共用して使うことができるシェアドコスメにも親しみがあるのもこの世代。

いい意味でこだわりが強くないこの世代はメンズコスメだけでなく女性コスメにも注目しているようですね。

これから注目するべきは美容・メンズメイク市場

まだまだメンズコスメの市場規模においてメンズメイクの割合はそこまで大きくはありません。全体におけるメンズメイクの割合は0.2%といったところです。

この比率は2017年から2019年までほぼ横ばい。原因としては購買層が18歳から30代前半までと限られている、それほどメンズメイクアイテムを販売しているブランドも多くないということでしょうか。

とはいえ、SNSやメンズコスメを取り扱う媒体でメンズメイクに触れられないことはありませんし、横這いとはいえ市場規模の割合は同じでも、メンズコスメ市場の成長とともに相対的に徐々に売り上げ自体は伸びているといるのです。

メンズコスメのこれからのトレンドはメンズスキンケア→メンズグルーミング(身だしなみグッズ)→メンズ美容→メンズメイクと遷移していくことが考えられるので、これからもメンズメイク市場には注目しておくべきと言えるでしょう。

記事まとめ

いかがだったでしょうか、今回は今注目のメンズコスメの状況や市場規模について詳しくお話してきました。

2020年は新型コロナ拡大によりメンズコスメの消費は落ち込みを若干見せていますが、まだまだメンズコスメに関する関心は高く、メンズコスメやメンズスキンケアを取り入れる年齢層も幅広くなっているので、これからも市場規模は大きくなっていくことが見込まれます。

メンズコスメの市場規模拡大により、資生堂やカネボウなどの大手だけでなくBULK HOMMEやLIPS BOY、PHYTOGRAMなどD2Cブランドも多く台頭しており、THREEやORBISなど実力はブランドの展開、韓国系メンズコスメの流入などこれからも日本のメンズコスメティック市場から目が離せません。

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